ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル ヤケクソ感漂う快作

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル、IMAX試写会で観賞しました

典型的なアメリカンティーンムービーの体裁をとった本作だが、結論から言えば、エンタメ作品として申し分ない、痛快な娯楽映画だった。

この映画、とにかくテンポが良い。冒頭15分程は設定の説明にあてられるのだが、「すいません!ちょっと説明に時間ください!」といった感じで、清々しいほど効率的に最低限の知識を詰め込んでくる。そこで紹介される登場人物たちは、悪く言えば書き割り的なのだが、純エンタメ映画としてこの選択は正しく思える。映画が本当に動きはじめてから(つまりジュマンジの世界に入ってから)もこのテンポの良さは引き継がれ、ティーン映画にありがちな成長物語、恋愛話などは、こちらが驚くほどあっさりと語られる。

ではそれらを手っ取り早く語って、代わりに何に時間が使われているのか。そう、ギャグとcg、アクションである。

すべてのシーンや会話にギャグがくっついている、といって良いほど、本作は本当にギャグまみれである。しかしそのギャグたちは下ネタやメタ的、ブラックなものなどバラエティに富んでいて、決して飽きることはない。先述したティーン映画にありがちなシーンにさえも、「あかんべえ」的にギャグが放り込まれているので、感傷的になどなるはずがない。

いわゆる「見せ場」であるcgやアクションも、派手でありつつ整理されていて、「何が起こっているのかわからない」というようなことにはならない。特にドウェイン・ジョンソンの格闘シーンは、かなり完成度が高い印象を受けた。

このあたりの「かったるい、ありきたりなシーンはとばして、ギャグとcgとアクションだ!」という姿勢を「ヤケクソ感」と表現したのだが、お分かりの通り全く悪い意味ではない。むしろエンタメ映画としては潔くて良いだろう。いかにもティーン映画、といった展開に食傷気味な人ほど、納得がいくのではないだろうか。

また本作は豪華俳優たちのスター映画とも言えるが、彼らの魅力も十二分に引き出されていて、長年ジャック・ブラックのファンをしている筆者も満足だった。

あえて不満をあげるなら、名曲「ウェルカム・トゥ・ジャングル」がエンドロールまで流れなかった点だ。ドウェイン・ジョンソンジャック・ブラックが暴れる後ろでガンズが・・・という妄想は実現されなかった。まあこれはまた次の機会に、ということで。(あるのか?)

ということで、本作はヤケクソ的であり、それ故にエンタメ作品として正しい作品だった。痛快な娯楽作を求めるすべての人に、この映画をおすすめする。

IMAXがこれまた最高だったので、できればそちらが良いかも。